たゆたう想い
 今日は可憐の誕生日。可憐がこの世に生まれた日。お父さんとお母さんの子供になった日。そして、お兄ちゃんの妹になった日……

 1年に1回訪れる、年を重ねる日。幼稚園だった子は小学生になったりするし、お酒を飲めなかった人が飲めるようになったり……いろんなことができるようになるのが誕生日だって、お兄ちゃんは言ったの。
 可憐は思いました。こうやって年を重ねていったら……お兄ちゃんに釣りあえる女の人になれるんだな、って。

 だから誕生日の1週間前ぐらいになると、毎晩夢を見ます。お兄ちゃんと、大きくなった可憐が――恋人同士に見てもらえるぐらい大きくなった可憐が、手を繋いでお出かけしてる夢を。
 夢の中の可憐とお兄ちゃんは、とても幸せそう。一緒に公園のベンチに座ったり、お茶を飲んだり……

 夢から覚めると、可憐は大きくなんかなってないの……眠る前の、可憐のままなの……お兄ちゃんと釣りあわない、ただの女の子のまま……

 そして可憐は、カレンダーを見ます。誕生日まで数えるほど。近いようで待ち遠しく、遠いようでとても早く訪れる、可憐の誕生日……

 夢の光景は未来の光景。
 そこまでの道のりは、とても大事な布石。
 あの、幸せな2人になるための、大事な年月……

 可憐は今、その道のりにいます。お兄ちゃんと一緒になれる、あの未来までの。
 だからお兄ちゃん、その道のりを進むのを、手伝ってくれますか……?
"Float Heart"closed.

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